先日、第8回慢性期リハビリテーション学会に参加をした様子をご報告いたしました。
今回はそのうちの1名(理学療法士歴5年目)の演題登録をした内容を、読者の皆さん向けに編集をしましたので、とくへいニュースでお届けします!
💪なぜこの調査を行ったか
高齢者の転倒は、骨折や日常生活能力の低下を伴い、寝たきりになるリスクが高いです。
理学療法士として関わるうえで転倒予防について検討することは、生活の質を向上するためにも重要と考えました。
当院デイケアにおいて、調査を行い、転倒予防について検討しました。
💪対象となる利用者さん
2019 年 11 月時点の利用者さんのうち、独歩または杖で移動可能な方62名。
💪調査方法
アンケートを用い、利用者さん本人とその家族に回答いただきました。
※クリックで拡大されます。
💪結果
1年間で転倒した人は32名、平均転倒回数は年間で1人あたり2回以上でした。
場所は”部屋”が多く12名、原因は”歩行中”だった方が20名と多かったです。
歩く速さが遅い人や、歩くときにふらつく人のほうが、転倒している傾向が分かりました。
アンケート以外にも、バランス機能、認知機能や握力のテストを行いました。
今回の研究では、年齢や性別は転倒の有無には関連が見られませんでした。
💪考察・結論
今回の研究では、当院デイケア利用者さんにおける転倒状況を調査しました。
他の研究者の研究では、転倒せずに歩くためには膝を伸ばす筋力と関連が強いことが報告されています。
今後の対策として、当院デイケアでは2つの取り組みが必要だと考え行っています。
1つはリハビリのプログラムとして膝を伸ばす筋力の運動を積極的に取り入れることです。
この運動はご自宅でもできるので行ってみてください。
もう1つは理学療法士とのリハビリ以外でも、リハビリ室の機器を用いたトレーニングを行い筋力の増強を図ることです。
転倒をきっかけとした生活の質の低下を防ぐために、継続的な調査や関わりが必要です。
当院デイケアでは、理学療法士や職員が一丸となり快適な生活が送れるよう支援させていただきます。