先日、デイケアにて「健康教室」が開催されました。
今回のテーマは、【皮膚のかゆみ~皮脂欠乏症~】です。
講師は、当院や博愛記念病院などで皮膚科を担当されている浦野先生です。
みなさん真剣に浦野先生のお話を聞いて、メモを取っていました。
講演の内容をまとめましたので、ぜひご覧ください!
かゆみとは
引っ掻きたくなる不快な感覚のことで、身体を守る防衛反応です。
皮膚に異物が付着するとかゆみが生じ、掻いて取り除こうとするのです。
皮膚
私達の皮膚の一番外側には、「表皮」があります。
表皮は「皮脂膜」と「角質層」で構成されていて、外部からの刺激から体を守ったり、身体の水分の蒸発を防ぐ『バリア機能』を持っています。
加齢や乾燥、生活の乱れ・ストレスによってバリア機能が低下すると、皮膚は乾燥してカサカサしたり、刺激に敏感になります。
そして、皮膚にかゆみやしわ、シミが生じます。
皮膚の病気
皮膚の病気には、「かゆみを伴うもの」「痛みを伴うもの」「痛みもかゆみも伴わないもの」があります。
- かゆみを伴うもの
- 蕁麻疹、湿疹・かぶれ、皮脂欠乏症
- 痛みを伴うもの
- 細菌感染(化膿)、帯状疱疹(ヘルペス)
- 痛みもかゆみも伴わないもの
- 皮膚がん、梅毒
今回はこの中から、かゆみを伴う「皮脂欠乏症」について紹介します。
皮脂欠乏症
かゆみを伴う皮膚の病気の1つです。
秋~冬の外気の乾燥や発汗量の減少によって、皮膚の脂(皮脂)が欠乏することで起こります。
下肢や脇腹、腰に発生することが多く、高齢者のかゆみの一番の原因になっている病気です。
生活習慣が関係しているため、意識して生活することで、悪化をおさえられます!
日常生活での注意点
- 入浴時
- 熱いお湯や長時間の入浴を避ける。
- 石鹸は控えめにして、身体を強く擦らない。
- 食事
- バランスの良い食事をとり、唐辛子などの刺激物やアルコールはかゆみの
原因になるので気を付ける。
- バランスの良い食事をとり、唐辛子などの刺激物やアルコールはかゆみの
- 下着・衣類
- 皮膚を刺激するとかゆみが強くなるため、刺激の少ない素材にする。
- 室内温度・湿度
- 暖房をつけると、皮膚が乾燥したり体が温まるため、かゆみが生じやすいため、
加湿器で適度な湿度を保ち、暖房の効かせすぎに注意する。
- 暖房をつけると、皮膚が乾燥したり体が温まるため、かゆみが生じやすいため、
- 保湿剤
- 塗布することで皮膚の潤いを保つ。
- 軟膏は塗り込まずに、目安の量を守る。
- 掻かない
- かゆみが生じて掻いてしまうと悪化するため、冷やしたり軟膏を塗ったり、気分転換をしてみる。
浦野先生からのメッセージ
- 石鹸を使い過ぎないこと
- お風呂でゴシゴシ擦らないこと
- 保湿剤を塗ること
- 軟膏を擦り込まないこと
これからさらに気温が下がり、寒い季節がやってくるので、
今回の浦野先生の講演を参考にして、皆さんも「かゆみ」対策をしましょう!
皮膚でお悩みの方は、月曜日の午前中に、当院の皮膚科を受診いただければと思います。
また、当院で皮膚科がスタートした時の投稿はこちらからご覧ください。