リハビリスタッフが徹底解説!
骨粗鬆症について
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の代謝バランスが崩れ、骨形成より骨破壊が上回る状態が続き、骨が脆く骨折のリスクが増大した状態とされています。
骨粗鬆症になる原因
骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足や、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどのビタミン類が不足していることが原因とされています。また、適度な運動によって骨に一定の負荷をかけないと骨形成におけるカルシウムの利用効率が悪くなるため、運動不足も骨粗鬆症の原因とされています。その他にも喫煙や過度のアルコール摂取、日光に当たらないことも原因とされています。
骨粗鬆症は女性に多い?
日本国内の骨粗鬆症患者の数は、推計1280万人(男性:300万人 女性:980万人)とされており、圧倒的に女性が多いです。特に閉経後の女性に多く、年齢が高くなるほど増える傾向にあります。50歳代女性の10人に1人、60歳代女性の5人に1人、70歳代女性の3人に1人、80歳代女性の2人に1人が骨粗鬆といわれています。
原因として女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減少するからといわれています。
※エストロゲンは骨芽細胞と破骨細胞の両方に作用しています。
骨粗鬆症の検査方法
骨密度検査
・DXA法:エネルギーの低い2種類のX線を用いて測定。一般的に腰椎や大腿骨、前腕の骨で骨密度を正確に計測します。
・超音波法:踵や脛の骨に超音波を当てて測定します。X線を使用しないため、妊娠中の方でも測定することが可能です。
・MD法:X線を使用し手の骨とアルミニウム板を同時に撮影し濃度を比べることによって測定します。診療所などで容易に計測できます。
※骨密度検査でYAM値が70%未満で骨粗鬆症の可能性があります。
YAM値:20~44歳の健康な女性の骨密度を100%とし、自分の骨密度が何%であるか比較した数値
レントゲン検査
主に胸椎や腰椎のX線写真を撮り、骨折や変形の有無、骨の透過性を確認します。
身長測定
25歳の時の身長を比べ、どれくらい縮んでいるか確認します。
血液検査や尿検査
骨代謝マーカーという検査により、骨の新陳代謝の速度を調べます。
骨粗鬆症になるとどのような骨折があるの?
・脊椎圧迫骨折 ➡ 背骨の骨が潰れる骨折
・橈骨遠位端骨折 ➡ 手首に近い前腕の骨の骨折
・大腿骨頚部骨折 ➡ 太ももの付け根の骨折
※これらの骨折は転倒でよく起こります。転倒に十分注意しましょう。
この他にも、肋骨骨折や上腕骨近位部骨折等があります。
骨粗鬆症を予防しよう!
カルシウムをとろう!
カルシウムは筋肉の収縮や神経の情報コントロールなど生命を維持していくためのいろいろな働きをしています。特に骨の形成には重要な栄養素の一つです。1日に700~800㎎のカルシウムを摂取しましょう。
日光に当たろう!
紫外線によって体内のビタミンDが活性化し、カルシウムの吸収が高まります。肌をなるべく露出し、1日に15分~30分程度日光に当たりましょう。
※紫外線をカットする日焼け止めクリーム等は効果が減少します。
運動をかかさずしよう!
運動が刺激となって骨にカルシウムが蓄積されます。また、骨粗鬆症は骨折しやすいため、転倒を予防する必要があります。
・ウォーキング ➡ 1日に8000歩以上を目安
・筋力トレーニング ➡ 足踏み運動やスクワット、腹筋・背筋
・バランストレーニング ➡ 片足立ちバランス
生活上の注意点
- 躓かない
家の中の段差を解消し躓かないようにしましょう。スリッパは転倒しやすいので注意しましょう。 - 部屋を暗くしない
家の中は常に明るくしましょう。寝る際は豆電球にしたり、階段にライトを着け足元が見やすいようにしましょう。 - 散らかさない
整理整頓を心掛け、転倒しない環境をつくりましょう。 - 引っかけない
電化製品のコードに引っ掛かり転倒するケースが多いです。コード類をまとめるなど見直しをしましょう。
骨粗鬆症が気になる方は、お気軽に整形外科にご相談ください。