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リハビリスタッフが徹底解説!

日常生活に役立つ豆知識~運動編~

今回、外来リハビリより日常生活に役立つ豆知識~運動編~をお届けします。
まず初めに当院の外来リハビリと「理学療法」について簡単に解説いたします。
理学療法(Physical Therapy)は電気・光線や水・温熱、運動などの物理的エネルギーを利用し、痛みや筋力等の改善を目的とした治療法で、古くは医師によって行われていました。それが時代とともに変化し、薬と同じように処方箋をもとに、理学療法士がその治療を代わりに行うというスタイルに変化していきました。
当院でも医師の指示のもと、4名の理学療法士が外来患者さんの治療にあたっています。前身である徳島逓信病院時代、理学療法士は整形外科の所属であったため、来院される患者さんは骨・関節疾患からくる痛みや可動域の制限を主たる訴えに受診される方が大半で、今でもそのような患者さんが多くの割合を占めています。
今回は私たちがそのような患者さんと関わる中で、痛みや筋肉に関する知識に関して、誤解されているなと思うことがありますのでその点について書きたいと思います。

痛いときは運動した方が良い?

痛みには何らかの原因がありますので、問題は痛みそのものではなく、その原因をみつけ解決することにあります。痛みは身体からの発せられる警告信号ですので、原因を無視し無理な運動をすることでかえって症状が悪化することがあります。
運動は痛みが和らいだら始められますが、薬などで痛みが感じにくくなった状態で行うのは危険です。
痛みが改善したら、柔軟性や筋力を向上させ再発を予防する意味で段階的に運動を始める事が重要になってきます。

自分で行うマッサージやストレッチは良い?

私たちの治療の後に患者さんが「自宅ですること」としてマッサージやストレッチは良いのかとのご質問をよく受けます。痛みを伴わなければ基本的には問題ありません。が、「曲がらないから曲げる」、「伸びないから伸ばす」、「硬いから揉みほぐす」方法では良くならないのが患者さんです。曲がらない・伸びない・硬い原因を解決するのは私たちの役目で、患者さんは改善したその状態を維持するために自身でストレッチやマッサージなどのセルフエクササイズをすることが時に必要となります。

歩くと筋力はつくの?

この質問はとても多く聞かれます。筋力アップに歩行が有効かどうかを考えるうえで、ヒトの歩行という動作がどのようにして発達していくかがポイントになります。
子どもが成人と同じ歩行が出来るようになるのはおよそ7歳前後といわれていますが、その間大脳や小脳などの中枢神経では運動の記憶が蓄積され、動作を繰り返すことでそれに関わる神経回路が形成されていきます。そして、運動を行う際には消費されるエネルギーが最も少ない効率的な方法を無意識に獲得していきます。従って、歩くときに使われる筋力は非常に少ないため、力をつける運動として歩くことは不向きというのが一つの答えです。
筋力をつけるには患者さんそれぞれの筋力に見合った「負荷」が必要ですが、患者さん自身がそれを一人で決めるのは非常に困難です。間違った負荷や方法では筋力アップどころか痛みの増悪にもつながります。
筋力をつける方法としてではなく、歩くことは心肺機能・代謝の促進やリラクセーションなどには有効です。ただし、運動過多には注意が必要です。

以上、よくある質問や患者さんがよく誤解しがちな点について端的に書いてきました。
この記事をご覧になってくださる方々にとって何かしらお役に立てれば幸いです。

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