今回の作業療法図鑑は『張り子』について紹介します。
張り子
張り子とは、日本でも古くからある郷土玩具などに用いられています。
竹や木などで組んだ枠、または粘土で作った型に紙を張り付け、成形する造形技法のひとつです。
張り子の作り方は様々でありますが、今回は風船を使用した作業療法が活用する張り子の方法について紹介をしようと思います。
準備物
- 新聞紙
- 習字の半紙
- ボンド
- 風船
- 絵具
- 筆
風船を使った張り子
- 膨らませた風船を用意
- ボンドを水で溶いたものを用意
- ボンドが混ざった水に新聞紙を細かくちぎったものを浸して風船に張る
- 新聞紙が乾燥すると次は和紙を張っていく
- 和紙が乾燥すると中の風船を取り出す
- 新聞紙や和紙で風船を取り出した穴を塞ぐ
- 張り子に好きな絵や模様を描く
効果
新聞紙や和紙をちぎる動作は手指の巧緻動作の改善の効果があり、日常では薬の袋を開けたり、ボタン操作などの動作改善が見込まれます。
和紙や新聞紙を風船に張る動作は目と手の協調的動作や空間認識能力の向上効果があり、日常では物を取る時の距離の調節や歩く時の躓きや障害物にぶつかったりする場面が減少します。
実施のポイント
風船が難しい場合は、ガチャガチャの空カプセルや新聞紙を丸めた上から半紙を張っていくと小さくて短時間で行えます。
絵を描くのが苦手な人は模様やシールなどを活用しましょう。