リハビリスタッフが徹底解説!
尿漏れについて
尿漏れ・尿失禁は、症状や原因によって、
①腹圧性尿失禁
➁切迫性尿失禁
➂溢流性尿失禁
④機能性尿失禁
4種類に分けられます。
腹圧性尿失禁
- 重い荷物を持ち上げた時、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう
- 女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上
- 骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こる
- 加齢や出産を機に出現する可能性が高い
- 荷重労働や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になる
切迫性(せっぱくせい)尿失禁
- 急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう
- 本来は脳からの指令で排尿はコントロールされるが、脳血管障害などによりそのコントロールがうまくいかなくなった時など原因が明らかなこともあるが多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしてしまう
- 男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります
- 薬物療法で症状を緩和させ、過剰な水分摂取の制限、骨盤底筋群のトレーニング、尿意を少し我慢する膀胱訓練などの行動療法を並行して行って症状改善につなげる。また、前立腺肥大症や骨盤臓器脱など原因に疾患が関与している場合には、その疾患の治療が重要
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
- 自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまう
- 尿が出にくくなる排尿障害が必ず前提にある
- 排尿障害を起こす代表的な疾患に、前立腺肥大症があり男性に多くみられる
- 直腸癌や子宮癌の手術後などに膀胱周囲の神経の機能が低下してしまっている場合もある
機能性尿失禁
- 排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる
- 例えば、歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できないなど
- この尿失禁の治療は、介護や生活環境の見直しが必要
軽度の場合には、ご自宅でもできる簡単なトレーニングで骨盤底筋群を鍛えることで解消が期待できます。
下記のトレーニングをしてみましょう。
骨盤底筋群のトレーニング
- 椅子に腰と背中があたるよう深く腰掛けます。足を軽く(拳1個程度)開き片手を下腹部にあて、体をリラックスさせます
- その姿勢で10秒程度、肛門や膣をお腹側にじわじわっと引き上げるようにしめます。きつい方は、最初は5秒ぐらいから始めてください
- しめた後は、力を抜いて50秒程度体をリラックスさせます。1分間の「しめる」「ゆるめる」のサイクルを10回繰り返します
!POINT! ティッシュをお尻の穴で摘まむようなイメージでできれば毎日、朝昼晩と行いましょう!!
効果が出始めるには2か月以上はかかりますので根気よく頑張りましょう!それでも変化がない場合は病院を受診しましょう。