リハビリスタッフが徹底解説!
目的意識をもった運動の効果
はじめに
近年、健康意識も高くなったり、新型コロナウィルスの流行にともない、
ウォーキングなど、運動される方が増えています。
しかし、その運動の目的はなんでしょうか?
今回は、普段している運動でも、目的意識を持つことでどう変わるのかを説明します。
鍛えている筋肉を意識することの重要性
「筋肉の活動が増加した」というデータがあります。
適切なフォームを効率的に習得・維持することが可能になれば、傷害発生のリスクを低減させる事ができると考えられています。
論文による根拠
ベンチプレスという重量上げ運動での効果
目的
ベンチプレス中に特定の筋肉の使用に集中することで、これらの筋肉を選択的に活性化できるかを研究しています。
方法
18名の男性が、3グループに分かれて運動を実施しました。
①ベンチプレスを無意識に行う群
②大胸筋に意識を向ける群
③上腕三頭筋に意識を向ける群
結果
無意識に行うより、鍛えている筋肉を意識する方が活動量が増加(10%前後)しており、それは低~中等度の負荷時に、より活動量が増すということがわかりました。
ダンベル運動とレッグエクステンション(太ももの筋肉を鍛えるトレーニング)時の効果
目的
筋力トレーニング中に内部(鍛えている筋肉)と外部(運動のやり方)に注意を向けることが筋肉に及ぼす影響を調べます。
方法
ダンベル運動とレッグエクステンションを2グループに分かれて運動を行いました。
①運動の方法に目を向ける群
②上腕二頭筋と大腿四頭筋を意識して行う群
結果
鍛えている筋肉を意識して筋力トレーニングを行った方が、どちらも12%程度筋肥大(筋力が強くなる)が得られました。
いかがでしょうか?
研究の結果からも、単にトレーニングをするのではなく、そのトレーニングの意味や目的を理解し、意識することでその効果が増加するようです。
ウォーキングの他にも、スイミングやエアロバイクなどの有酸素運動に取り組む方は多く、脂肪燃焼の効果がありますが、代謝量を上げるためには、骨格筋量も重要となります。
近年、いきいき100歳体操など筋力トレーニングを目的とした運動がありますが、そういった運動をするときに、どの筋肉を鍛えているのか意識するとより効果的かもしれません。
さいごに
今回の内容は、4月20日(土)に開催した『リハビリ健康教室』でお話した内容となっています。
当院では、二か月に一回(6月、8月、10月、12月、2月)の頻度で『リハビリ健康教室』を開催しています。
次回は6月15日(土)に開催予定です!
みなさんの生活のためになるような内容で講演や体操などをしていますので、興味がある方はぜひご参加ください!!
➊貯筋とタンパク質について
➋人の体における骨の役割について
➌外来での呼吸リハビリについて
➍骨粗鬆症について
➎頭痛とリハビリ
➏日常生活に役立つ豆知識~運動編~
➐靴の選び方
➑COPDって何?
➒訪問リハビリの紹介
➓食欲がない時の栄養補給
⓫横断歩道を渡りきるために
⓬自助具って何?
⓭杖の正しい合わせ方
⓮四十肩・五十肩について
⓯有酸素運動と無酸素運動
⓰自宅退院に向けてオススメの福祉用具
⓱リハビリスタッフ各療法士の特徴
⓲転倒について
⓳尿漏れについて
⓴日光浴の効果について
㉑スリッパはなぜつまずきやすいか?
㉒筋肉(筋線維)について
㉓誤嚥性肺炎について
㉔介護用ベッドの選び方
㉕痛みと気候の関係
㉖雨の日に膝が痛いのはなぜ?
㉗ダイエットについて
㉘デイケア(通所リハビリテーション)の紹介